体を動かさないことがいろいろな体の不調につながっています
このことに関しては内科的な面でも言われていますが、ここでは体幹や運動機能など骨格に関してのことをお話しします。よく言われるのは身体を動かさないと筋力が衰えて腰痛や膝痛を起こすという事ですが、少し違った観点から考えます。
世の中にはいろいろな主義主張があり、その中には家の中では勿の事、できるだけ体を動かしたくないという人がいるようです。自分の親がそうだったからそうするという思い込みかもしれませんが、一日中座ったきりでほとんど動くことをしないで過ごすみたいです。この座るという体の使い方が骨格の本来の使われ方ではなく、人類が二足歩行を始めたことで取り入れた後付けの体の使い方です。
四足歩行の時にはほとんどの場合、前足で身体を支えていて体重を分散させているので体幹にかかる力が減少しますので骨格のゆがみを心配する必要がありません。ところが直立二足歩行の時や座っている時は上半身の体重はすべて脊柱にかかりますので全身がゆがむことは避けられません。つまり座るという事自体が身体にとっては良いことではないのです。
更にその姿勢を長時間続けることで全身の関節や筋肉は硬くなってきます。これはおそらくご本人の自覚症状としては疲れや重だるさという感じだと思いますが、解消するためには寝ることを選択する方がほとんどでしょうがそれによりさらに体の硬さが増加することは言うまでもありません。
ここまで来ると起きるのは、硬くなった筋肉がゆがんだ骨格の鎧になって骨格矯正をさまたげ、硬くなった骨格は骨格矯正に抵抗します。つまり骨格矯正を受け付けない体になっているのです。この状況を打開するためには物理的に強い力を繰り返し加えるしか方法はなく回復までの時間は多くなります。
しかしここで問題になるのが骨の強度の問題で、やみくもに力を加えればいいと言う訳にもいかず、特に年齢を重ねた方は骨密度を考慮した力加減をする必要がありその分だけ回復の道のりは遠ざかります。さらに硬くなった体を動かすと体の硬さに関節が負けて骨格がずれやすくなり、少しのことで関節痛を起こします。
この事から分かるように体を十分に動かしていない場合は身体を痛めやすく回復も辛いという事ですので日頃から体を動かす習慣を身につけることをお勧めします。