骨格の二つの硬さの問題(関節の硬さと骨格全体の硬さ)
このタイトルを見て骨が硬いのは当たり前だと突っ込みがきそうですが、骨の硬さのお話ではなく骨格・骨組みの硬さの問題なのです。この骨格が硬いということで様々な問題が身体に起こることになります。しかもこの問題が厄介なのがご本人にはこの硬さを硬いと感じることがほとんどなく、むしろ疲れや重さという現実とはかなり違った感覚でとらえられているという事で、このことが問題の解決を困難にさせているという事なんです。
また硬さは徐々に増してきますので違和感としてとらえることがなく、通常の状態と認識しており、施術により柔軟性が回復してはじめてその差に驚くことがしばしばです。
まず一つ目の硬さについてですが、骨盤やむち打ちをもらった首や背中の骨はゆがみの強さの度合いに応じて硬くなります。関節には固有の可動性というものがありその範囲の中で自由に動くことが可能なのですが、その可動性をゆがみが使ってしまえばそれ以上動くことができません。
つまり原因箇所の歪みが強ければ強いほど脊柱の硬さも増してくることになります。脊柱を歪ませようとする原動力は骨盤などの原因箇所の歪みそのものなのです。言い換えれば原因ヶ所の歪みをとりさる事ができればこの段階の脊柱の歪みや硬さは軽減できることになります。
ところがこの状態を数十年もの間続けているうちに少々厄介なことになってきます。歪んだままで動かなくなった関節の周辺組織はしだいに癒着を起こし動くことができなくなってきます。他の場所の原因により歪んでいた脊柱がこれから先は自らが原因となって他の部分に悪影響を及ぼします。そのような癒着が複数みられるようになると脊柱は体全体の自由な動きの妨げとなります。
この状態がある方の自覚症状は慢性的な疲労感や全身のだるさ・体の硬さを訴えることが多いものの、決して骨格が硬くて動きが悪くなっているとは感じられません。ましてや腰痛が悪化した結果がもたらす骨格の硬さとは想像すらできない事でしょう。
そしてこの硬さがゆがんだ骨格の矯正をさまたげることになり、その結果として重症の腰痛と言われる所以なのです。
骨格が柔軟であればかなりの痛みも程なくとれるのですが、硬くなった歪みがひき起こす痛みはそう簡単には取れないので、当院では骨格の硬さを重症のバロメーターととらえています。